セアカゴケグモに注意

  セアカゴケグモ セアカゴケグモ         
 


 セアカゴケグモという言葉自体、世の中に広まってほしくないと思っていたがやはり徐々に拡散してきています。
 つまり日本中にじわじわとセアカゴケグモという有毒のクモが現在分布を広げており社会問題化しているのです。

  そもそもこのセアカゴケグモという毒グモはもともと日本にはいませんでした。1995年に大阪府で初めて発見され、
 その後兵庫県・群馬県・岡山県・愛知県など各所で見つかり四国にも飛び火しています。
 このクモは人の生命や身体に関わる被害を起こすことから「特定外来生物」に指定されています。

 2014年現在で35都府県で生息が確認されています。
 最初に都市の港湾部からセアカゴケグモが発見されたことからみても船舶の船荷に付いて海外から渡航してきてい
 ることが容易に想像できます。
 また空港周辺なども同じ条件下なので十分な監視が必要となります。

                                              セアカゴケグモ
                                                画像:ウィキペディアより
 【セアカゴケグモの生態】
 セアカゴケグモはオーストラリア原産でヒメグモ科に属します。
 毒を持つメスはオスよりも体長が大きく約15mm程度。オスは約5mm。
 全体につやのある黒色で腹部から背にかけて赤いひし形のような帯状の模様があり、セアカゴケグモの名前の由来
 となっています。

 つつくと死んだまねをするなど性格はおとなしいですが、直接手で触るなどすると咬まれる危険があります。
 6〜9月の暑い時期に活発に活動し繁殖します。
 セアカゴケグモは越冬能力があり、日本の気候風土に適合できるため各地で定着、繁殖しています。
 卵のうと呼ばれる白くて丸いものを3〜4個巣に産みつけますが、その1個の中には卵が200個ほど入っています。
 約15日で孵化し、3〜4ヶ月で生育するようです。
 近似種にハイイロゴケグモという外来毒グモが存在します。


 【セアカゴケグモの国内分布】
 静岡・鳥取・福島・千葉・愛媛・沖縄・鹿児島・徳島・高知・兵庫・和歌山・神奈川・愛知・岐阜・岡山・岩手・茨城・宮
 城・群馬・三重・京都・大阪・滋賀・奈良・広島・山口・香川・佐賀・熊本・宮崎


 【セアカゴケグモの生息場所】

 セアカゴケグモ
 セアカゴケグモはもともと熱帯地方に生息しているクモなので日当たりの良い暖か
 い所を好むようです。
 また夜間に街灯や自動販売機などの照明の光に寄ってくる昆虫を捕らえていること
 もあり、そのような夜間部分的に明るい所で影になるあたりに潜んでいることが多い
 です。
 セアカゴケグモの巣は側溝のフタの裏側・園芸用具ブロックの穴の中・墓石廻り・自
 動販売機の下や裏面・プランターのくぼみなどといった適度な陰の空間があり昆虫
 が寄って来そうな所。
 プールサイドのタイルの隙間に潜んでいた例もあります。


 【セアカゴケグモの毒性】
 このクモの毒性は神経毒の「α-ラトロトキシン」といわれるものです。毒のあるのはメスでオスに毒はありません。
 他の有毒生物のスズメバチやムカデよりも毒性は高いとされています。
 海外では死亡例がありますが、現在日本においては死亡例は報告されていません。しかしながら体力のない幼児や
 高齢者などは要注意です。


 【咬まれた時の症状】
 セアカゴケグモに咬まれたら、初めは針に刺されたような痛みがあり、徐々に激しい痛みに変わり、咬まれた部分が
 大きく腫れ、めまい・嘔吐・発汗・発熱の症状が出ることがます。更には血圧の上昇、呼吸困難を伴うこともあります。
 痛みや腫れは数日続きます。


 【咬まれた時の治療】
 セアカゴケグモに咬まれたらその傷口廻りを洗い、早めに医療機関での治療が必要です。
 医療機関によっては抗血清があります。
 もし咬まれたクモが採取できればクモの特定にもなるのでそれも持参します。


 【セアカゴケグモの駆除】
 ホームセンターなどで購入できる市販のピレスロイド系殺虫剤で駆除可能です。
 殺虫剤がない場合は足で踏みつぶすか熱湯をかけます。
 セアカゴクグモの卵のうは皮膜に被われており殺虫剤が効きづらいので足で踏み潰すか焼いて処分します。

   
アース 「クモの巣消滅ジェット」 

 【セアカゴケグモの天敵】

 自然界にはこのクモを捕食することができるいわゆる天敵が存在します。それはクモバチというハチの一種「マエアカ
 クモバチ」という名のハチ。
 大阪の自然史博物館が調査、確認をしております。
 ちなみにこのハチは在来種ですが、しかしながらその生態がいまひとつよくわかっていません。
 個体数も多いように思われませんので、残念ながらセアカゴケグモを駆除、全滅させるほどの効果はなさそうです。


 【セアカゴケグモの注意点】
 庭仕事をする際は手を保護するよう軍手を着用し、足もツッカケやサンダルばきを避け長靴等で防備する必要があり
 ます。
 溝のフタなどを持ち上げる際は手袋を着用してクモに備えます。
 また、外に置きっぱなしにしていた履物やかぶりものなどを身に付ける際はセアカゴケグモが付着していないか確認
 してください。
 洗濯物を夜遅く取り込む時も油断できません。クモの付着の確認が必要です。

 セアカゴケグモを発見した付近には更に複数の個体が生息している可能性もありますので、十分注意してください。
 発見したからといって過度に騒いだりせず、落ち着いた行動が求められます。
 また「特定外来生物」に指定されているので、生きた個体の運搬や飼育は禁止となります。


 

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